概要
小規模事業者などを対象として、令和6年度税制改正大綱の項目のうち、影響がありそうなものをおおまかに抜粋して行きます。
賃上げ促進税制の強化
- これまで税制を活用できなかった赤字企業に対しても、賃上げを行う後押しがされます。控除できなかった税額を5年間繰り越すことが可能です。
- 中小企業については、現行の40%から45%に控除率が引き上がります。
子育て支援に関する政策税制
- 子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充
子育て世帯及び若者夫婦世帯の借入限度額が、子育て支援の観点から上乗せされます。具体的には、新築等の認定住宅に対しては500万円、新築等のZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅に対しては1000万円の借入限度額が上乗せされます。これにより令和5年の住宅ローン控除の借入限度額と同等の水準になるような措置が取られています。 - 子育て世帯等に対する生命保険料控除の拡充
所得税において、生命保険料控除の新生命保険料に係る一般枠(遺族保障)について、23歳未満の扶養親族を有する子育て世帯に対し、適用限度額を現行の4万円から2万円上乗せする措置が講じられます。ただし、合計適用限度額については、現行の12万円から変更されません。
扶養控除等の見直し
- 児童手当の変更
所得制限が撤廃され、支給期間が高校生年代まで延長されます。 - 16歳から18歳までの扶養控除
現行の一般部分(国税38万円、地方税33万円)に代えて、かつて高校実質無償化に伴い廃止された特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(国税25万円、地方税12万円)が復元されます。 - ひとり親控除
所得要件の引き上げ: 対象となるひとり親の所得要件が現行の合計所得金額500万円以下から1000万円以下に引き上げられます。
控除額の増額: ひとり親控除の所得税の控除額が現行の35万円から38万円に引き上げられます。また、個人住民税の控除額も現行の30万円から33万円に引き上げられます。
所得税・個人住民税の定額減税
- 対象外の所得者
合計所得金額が1805万円超の高額所得者は対象外とされます。 - 減税額
令和6年分の所得税については1人当たり3万円、令和6年度分の個人住民税については1人当たり1万円の減税が行われます。
参考:令和6年度税制改正大綱